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日が登り始めるが村人はまだ寝静まっている頃、「トントン」と静かにガルムの家の戸を叩く音がする。
ガルムが戸を開けるとそこにはハリムがいた。
『どうしたハリム、こんな朝早くに。』
『いや、昨日拘束した3人を人目に付かないうちに帝都へ連行しようと思ってね。
勝手に連れ出せないだろ?』
『そうか、分かった。奴等の仲間が待ち伏せしているかもしれないから、気を付けてな。』
立ち去るハリムの後ろ姿を見送るガルム。
部屋に戻ると夜中から俯いたままの村人達がいた。
『ガルム、本当に彼に任せていいのだろうか?
彼はこの村には関係ない。
それに仮面の人物が本当にエフラ・ソロードだったら我々は……。』
みんな考えた事が一緒だったのか、それから誰も口を開こうとしなかった。
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