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ロゼが一歩踏み込み剣を振るうと、数人の男の顔に縦一直線の赤い筋が入り「ブシュ」っと音をたて血が吹き出す。
だが、勢いがついた男達はそれを気にせずにあっという間にロゼを囲み一斉に攻撃を仕掛ける。
その時、全員の体を生暖かい風が包み込み一瞬動きが止まった。
『な、なんだ……なんなんだこれは。』
本当に一瞬だった。
仮面の人物の目に映るのは、自分以外の男達がその一瞬で一斉に床に倒れていく光景。
そして、一瞬にして床に広がる「朱い海」。
『どうした、怖いのかい?
アンタさ、神の代弁者なんだろ?』
『そ、それ以上近づくな!! 俺は魔法が使える!! 貴様なんか怖いものかー!!』
叫ぶ仮面の人物は、両手をロゼに向けるが何も起こらない。
『な、魔法が出ない!?』
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