Episode 2

19/73
前へ
/229ページ
次へ
子供達の楽しい笑い声や、噴水から噴き上がり水場に落ちる水の音、飛び立つ鳥の羽ばたく音……。 さっきまで様々な声や音が聞こえていたのが嘘のように、一瞬にして二人の間だけ時が止まったように沈黙が広がる。 そのまま、言葉の出ないマキナは悲しげに話したロゼの顔を見て動かない。 『理由はどうあれ、所詮はただの人殺し。それが、例え誰かを救う事だとしても、罪は罪。消える事のない真実なんだよ。』 『ロゼさん。貴方はその罪を背負い、悔いているんですね……。 でしたら、やっぱりお礼を言った事は間違いじゃなかった。』 その言葉を境に、マキナの言葉と同時に止まった時が動き出したように沈黙が消える。 海から吹く風は、街の間を縫うように街全体に行き渡り当然、広場にも風が流れ込む。 再び街の活気(おと)が二人を包んでいた。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加