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『……ダメだ。』
そう、宿の一室で静かに怒るように言ったのはロゼだった。
ベッドに腰をかけたまま見詰める視線の先には、椅子に座るジュラとマキナ。
何故マキナが部屋にいるのかと言うと、それは数時間前に遡る。
数時間前。
ムガの村を救う為に自分がした事を話したロゼと、その真実を聞いたマキナの二人は街の広場にいた。
『一つ聞いていいですか?』
『答えられる範囲でなら。』
『「手を掛けた皆」は何処に? かなりの人数が居たはずなんです。』
マキナは「ロゼが手を掛けた人間」の姿が何処にも無い事を不思議に思っていた。
それもそのはず。
「全員、砂となり大地に還った」のだから。
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