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『マキナ、さっき言ったろ。
俺は命を奪うような事をする……だからその逆、「命を狙われる」とも考えられる。
そんな俺に付き添うジュラに、護衛依頼をするって事は「無関係なマキナまで巻き込まれる」かもしれないって事になる。だから、反対だ。』
真面目に話すロゼからは、目には見えない得体の知れない圧力が部屋を一瞬で包んでいく。
ジュラは平然としているが、マキナは冷や汗が出始めていた。
そんな自分を押し殺すように震えながら小さな声で
言葉を発する。
『……それでも構いません。』
静まり返る部屋にマキナの声だけが広がる。
『「どんな事でも受けいれる覚悟はあるのか?
どんな危険が待っているか、何が襲って来るか解らないぞ?」
そう、兄さんが言ってました。
でも私は、村を出ると覚悟しました。』
力強く真っ直ぐロゼを見詰めるマキナ。
その瞳は戦士が覚悟を決めている時の目と同じ程に力が宿っていた。
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