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ロゼは目線を反らす事無く立ち上がると、腰に添えた剣の柄にゆっくり手をかけた。
と思ったその瞬間。
瞬きする間もなく鞘から抜かれた剣がマキナの目の前に突き付けられていた。
『ロゼさん!!』
ジュラは慌ててロゼを抑えようとするが、ロゼは微動だとせずに剣先をマキナの眉間数ミリまで近付けていく。
『今みたいにいきなり刃物を突き付けられて、死ぬかも知れないんだぜ?
一瞬だぞ? それでも良いのかよ。』
『それに怯えるくらいなら、ここにいません。』
ロゼの言葉に対して、震えながらもマキナはそう答えた。
しばらく見つめ合う二人……ハァとため息をして先に視線を逸らしたのはロゼだった。
突き付けた剣を鞘に納め、再びベッドに腰を降ろす。
『そんだけの意志があるなら、断っても勝手にくっついて来るんだろ?』
『えっ?』
ふぅっと息を吐き椅子に座るジュラはロゼを見る。
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