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果物をかじりながら、通り過ぎていく景色を眺めていたその時、森の中から風の流れに乗って焼け焦げた匂いが広がってきた。
『何か焼けてるな。』
商人もそれに気付き馬車を止めた。
辺りを見渡すと、木々の間から見えた先に煙の上がった何かがあるのが確認できた。
『この匂い……オヤっさんはここを動かないで。
ジュラ、周囲を確認して異変があったら俺に構わず直ぐに森から出るように。』
ロゼは馬車を降り歩いていく。
『ジュラさん。何が……。』
心配そうな顔付きでマキナが言うと、ジュラはニコッと微笑む。
『心配要りませんよ。マキナさんはここから後ろを見ていてください。そして何か見付けたらすぐ言って下さい。』
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