Episode 1

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左側の腰には剣の鞘が見え、服装は帝都の軍兵にも見えるが何か違った。 マントが無くなりあらわになった両腕は、鍛えているのか筋肉の形がハッキリと分かり、上着の背中を見ると服のデザインだろうか? 見た事の無い紋様が描かれている。 だが女性が気になったのはそんな事ではなく、それは今まで見た事の無いその男の『真っ赤な髪』。 『(綺麗な赤い髪……。)』 女性はそう思ったが、日の光に照らされ風に揺られるその髪は「身体の中を流れる血」の様にもみえた。 『血の様にも見えたかい?』 男のその一言で我に返る女性。 『(!? 声に出してないのに……。)えっ、いや』 『図星かな? 別にいいけどさ。その前に……服、隠しなよ。』 女性は視線を自分の体に移し、その乱れた格好に「キャッ」と声を上げ、慌ててマントで隠す。
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