42人が本棚に入れています
本棚に追加
マキナは込み上げている何かの怒りを堪え、ベッドに腰を降ろすと「はぁ」と溜め息が自然に出た。
『ロゼさんが言った通り、私こんな体型だから、昔から子供子供って言われてたんです。』
『……そっか。』
『「そっか」って!!……私これでも気にしてるんですよ!! と、特に胸ですけど……。』
プクッと膨らませた頬は仄かに赤く染まる。
それを頬杖を付きジッと見るロゼは真顔で口を開いた。
『人間なんてさ、皆容姿が違うだろ。この世に全く同じ容姿の奴なんて誰一人居ない。俺から言わせたら、容姿なんて名前と同じ。
それ程大事じゃないぞ?』
『それはロゼさんが色々と言われた事がないからじゃないですか?』
『それも見た目で判断してないか?
じゃあマキナ。一つ聞くけどさ、周りに居る人間から「お前は化け物の子だ」とかって言われた事あるか?』
『え?』
真顔で殺気にも似た感覚が部屋を覆い、言葉が出ないマキナ。
ロゼは椅子から立ち上がると窓際へ行き、外を眺める。
『まっ、ガキの頃のちっちゃい昔の話だ。気にしちゃいないさ。』
そして振り向いたロゼの顔は殺気無く笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!