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そのまま森の中へ少し進んだ時、タグラは足を止め振り返った。
それに対し、ジュラは当然の様に表情一つ変えず自然に返す。
『おや? どうかしましたか?』
『いや、何も……。しいて言うなら、護衛は終わりって事だよオッサン。』
その言葉と同時に全員が刃物をチラつかせた。
その瞬間、ジュラは目だけで周囲の状況を確認する。
『そっちの子供っぽい童顔は「高く売れる商品」なんでね。
悪いけどオッサンだけ死んでもらうわ。』
『子供…ですか。マキナさん、今日何度言われました?』
『数えてないですよそんなの!!』
と声を荒げるも、ジュラの袖を掴むマキナのては少し震えている。
それを見ている男達はニヤニヤと薄気味悪い表情を浮かべながら刃物をチラつかせている。
さすがのマキナもジュラの背後に周り身を竦めていた。
そんなマキナに小さく聞こえる様にジュラが言う。
『マキナさん、合図を出したらしゃがんで下さい。』
マキナはそれを聞くと「はい」と答えた。
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