破れたページ

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  もう一度俺の隣に座ると、彼女は大きな瞳を輝かせて尋ねてくる。 「どうして制服なんか着てここで勉強してるのに、学校行かないの?」 目線を下に背けたらホットパンツから伸びた白いふとももに目が行ってしまい、また慌てて反対側に目を逸らした。 「関係ないだろ」 「気になるから聞いてるの」 違う。 答えられる理由がないんだ。 だって、理由なんてないんだから。 なんとなく居場所の無さを感じて、居られなくなった。 ただそれだけ。 そんなことを話したら笑われてしまうかもしれないだとか、呆れられてしまうかもしれないだとか、初対面の他人にすら臆病な自分に嫌気がさす。 「ふーん、まあいいや。……今年めちゃくちゃ暑いよね。でも、あたしは夏って好きなんだ」 そう言うと彼女は空を見上げた。 俺はそれに倣うことをしない。 ただ、彼女の横顔を見るだけ。 頭を支える首がやけに白く細く、頼りなく見えた。 「空の青が濃いよね、夏って。なんか生きる希望が沸いてくるっていうか?」  
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