■ 入学式

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"金城学園" 東京で有名な学園、東京四天王学園のひとつ。 他の学園とは違い、自由な校風が特徴的。 「佳恵、気をつけてね。」 佳恵「うん。いってきます!」 あたし"立花 佳恵"は高校からこの学園に通うことになった。 元は、その辺のごく普通の中学に通っていた。 家を引っ越した時に、一番近かったのがここだったから、 ただそれだけの理由。 佳恵「あー‥緊張してきた。」 新1年生とは言っても、周りは中等部からの人ばかり。 多少浮くことは覚悟してきた。 「君、新入生?」 佳恵「は、はい!」 「‥違う中学からだね。教室、案内するよ。」 親切そうなその青年はあたしのクラスの教室まで案内してくれた。 佳恵「ありがとうございました!」 「ううん。困ったことがあったら、助けるからね。」 どこか怪しげに微笑みながらその青年は去って行った。 佳恵「問題はここからだよね‥。」 教室内からはすでに楽しそうな声がたくさん聞こえてくる。 今入れば確実に『誰コイツ?』てきになるのは目に見えていた。 佳恵「…行くしかないっしょ!!」 教室の扉を開けた瞬間、人とぶつかった。 「いったー!!!まじ骨折れたかと思ったわ!!おい、お前!!」 佳恵「…はい。」 ―めっちゃヤンキーだし‥。 金髪に、ピアス。 誰がどう見ても不良。 「…お前、他校モンか?」 佳恵「あ、そうです。」 「…じゃあ許したるわ!仲良くしなあかんでな!」 陽気な関西弁でそう言うと、クラスのみんなが笑った。 どうやら、ただのヤンキーではなさそうだ。 隆一「俺は柴山隆一!お前は?」 佳恵「立花佳恵です。」 隆一「んじゃあ、佳恵!お前今日から仲間だから、敬語使ったら‥殴る。」 リアルすぎるエアパンチ。 佳恵「は、はいっ…じゃなくてうん!!」 隆一「ははは!冗談だっつーの(笑)」 楽しそうに笑うと柴山くんは教室から出ていった。
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