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しかし、こうなることをある程度覚悟して魔獣退治を行ったのだから、今さら彼らにぐちぐちと文句を垂れるつもりなど無い。
むしろ、生徒や一般人などに所構わず広めないだけでも、ありがたいと思わなければならないのかもしれない。
……でもまあ、そうするように指示を出したのは間違いなく、あの綿飴のような白髭を生やしたアイツというわけで。
早い話が、妙に悔しくて感謝する気持ちになれないのである。
とまあそんなこんなで、アルトがもやもやとした気持ちを抱えながら歴史感溢れる廊下を歩いていると、
「おっはよーアルト!
今日も腹黒オーラ全開だねぇ」
タッタッタッという駆け足が聞こえたかと思うと、その次には弾けるような挨拶とともに腰の辺りをバシッと強く叩かれた。
今のアルトにこんなことをする人間は一人しか考えられない。
痛む腰をさすりながら顔に呆れた表情を浮かべると、
「おはようミシェル。
……ていうか、腹黒オーラっていったいなに?」
アルトに訊ねられた金髪の幼女――――ではなく少女のミシェルは、にやにやと悪戯な笑みを浮かべながら、
「アルトが不機嫌な時に必ず出すじめ~としたオーラのこと。
これが出ているのは、普段猫を被っているアルトが本性を現わしている証拠なんだよぉ」
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