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「……ど、どうかなレイ君。変な所ない、かな……?」
ケイトは動かしていた手を止めると、隣で腕を組んで仁王立ちをしているレイに白い便箋を手渡した。
「どれどれ……」
レイはそれを受け取ると、つらつらと読み進めていく。
精悍な顔の眉間に深い皺が刻まれる。
自然と喉が鳴った。
「う~ん。最初の“招待状”と比べたら悪くねぇとは思うんだが、文面に自信の無さが諸に出ているな。
しかもおまえは待っているけど、来たくなければ別に来なくてもいいって……。
そんな書きかたしたら、アイツは内心で嫌だと思っていてもおまえを心配して必ず来るぞ。
そうなったらデートじゃなくてただのお守りだ」
「ということはつまり……」
「また書き直しだな」
「そ、そんなぁ~」
無慈悲に告げられた本日何十回目かのボツ宣告にげんなりして、ケイトは机に突っ伏した。
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