小樽航空戦

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竜神作戦指揮室。此処は竜神、及び黒田艦隊の頭脳と言える場所だ。部屋には大きなモニターが幾つも並んでいる。モニターにはレーダーの画面、外を映す画面等が有る。 「方位330、敵軍の航空隊確認。敵味方識別照合中…。 出た米軍とロシア軍です!」 彼女は第二十七航空隊専属のオペレーターの小林幸世(コバヤシ サチヨ)。階級は一等水兵。19歳。 「了解だ!一気に狩ろうぜ!」 と此処でロックが流れた。音の根源は二番機パイロットの音楽プレーヤー。彼は土浦啓示。隊のムードメーカで兄貴分だ。階級は中尉。機体愛称は『峯風(ミネカゼ)』。26歳。 「五月蝿い!気が散る!やめて!」 言音は啓示に怒鳴った。彼にはそんな事はお構いなしだ。 「おいおい、ロックがわからん奴はいつもこうだ。少しは覚えてくれよ」 呆れた感じで啓示はボソッと言った。 前方に米軍、ロシア軍の戦闘機が交戦しているのを見た。ロシア軍はAs61、米軍はF12Rスモールドッグだ。 「おい、彼奴達こっちに気付いてないぜ。一気にやるか」 啓示は一気に飛び出した。言音はその後を追った。此処で相手は日本軍のご登場に気付いた。 「此方シーガル1、日本軍も来たぞ」 と米軍のパイロットは言った。空は日本軍、米軍、ロシア軍の三つ巴だ。 峯風が早くも戦闘に加わってきたAs61の後ろを捉えた。しかし相手も柔ではない。相手は急に減速し峯風はそれを追い抜いてしまった。 「やっべ!!」 直ぐに相手は機体の体勢を立て直し攻撃してきた。 「ゲッ!!」 ギリギリ啓示は操縦桿を右に倒し、これをかわした。直ぐに冷静を取り戻し、フラップを下げて右へと急旋回した。が相手のAs61は突然四散した。 「お!?何だ?」 啓示は驚いた。 「ごめん、墜とした」 言音の一言。 「くそぅ、てめぇか!!」 啓示は悔しがっていた。峯風がオーバーテイクした後からずっとAs61の背後に付いていたようだ。
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