小樽航空戦

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やがて彼女たちの目にも爆撃機隊が目視出来るようになった。Fu12爆撃機の他に護衛のAs61がいた。先刻の敵発見の一報を入れた水上戦闘機部隊は既に戦闘を開始していた。 「敵は15機、護衛はそれ以上だ!注意されたし!」 空は敵味方が入り乱れた。 「此方島風、Fu12を迎撃します!」 言音が三機編成で三角形になって飛んでいるFu12の左端の機体の後ろに付いた。 「敵が来た!撃て撃て!!」 Fu12達は一斉に後方銃座から銃弾を放って段幕を張った。ベテランパイロットでも嫌がる激しい弾の嵐。しかし彼女にはお構い無しだった。彼女はフルスロットルで一撃離脱をかける。一気に最高速になる。そして島風の機銃が一斉に火を噴いた。 左エンジンナセル後方に命中、爆発した。 「ウァ!!」 パイロットは脱出、他の乗員も続けて燃える機体から脱出した。 彼女はそのまま先頭の機体にも攻撃した。今度は垂直安定板から右主翼を撃ち抜いた。 撃墜には至らなかった。然し、 「あぁ…、此方モスクワの赤の1。済まない、離脱する。計器が狂いあがった!モスクワの赤の2、後は任せた」 「了解です。隊長」 そのまま離脱した。
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