小樽航空戦

16/18
前へ
/731ページ
次へ
彼等が一斉にロケット弾を放った。そのままFu12に向かって飛んでいった。 が、まさかのことが起きた。護衛のAs61達が捨て身でロケット弾を防いだ。結果は六発中二発が命中。残りは命中しなかった。 「こちら水蓮(二番機)。自機と光陣(三番機)はロケットはありません!」 「よし、一撃離脱だ。済まないが味方機へ。周りの戦闘機の排除を求め」 「了解だ、照人!」 新谷は北野に言った。 「えー、何だよ。爆撃機墜としじゃないのかよ」 啓示はここでも悔しがっていた。 新谷は夕雲隊各機にAs61の駆除せよと命令した。 そんな中、言音はまたもや自機に敵機が二機まとわりついていた。 「ちょっと、何で私に集まるのー?」 言音は半べそかいたような声を上げた。とは言いつつも彼女はフラップを下げて群がっている機体の後ろに付こうとした。 その時だ。 「よう、お前、良い事したな」 啓示だ。 「後ろはいただいたぜ」 彼女の後ろについていたAs61は直ぐに彼の存在に気付き上昇した。うち一機が上空に待機していた小樽の水上戦闘機に気付かず、それに墜とされ、もう一機は啓示の機体に一撃離脱で墜とされた。 「こちら小樽140号。旦那、やってくれるね」 「どんなもんだい」 啓示は誇らしげに言った。
/731ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加