異邦人

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5月14日、AM3:00、佐渡沖、竜神上空 「全く、こんな真夜中に襲撃だなんて。露助(ロシア)は狂っていあがるぜ」 啓示が竜神発艦してから直ぐに言った言葉だ。 「方位343、ロシア軍の航空隊を更に確認。続いて全航空隊へ。小松基地の空軍飛行隊の援軍を要請。三十分でそちらに着きます」 幸世は竜神の作戦指揮室で奮戦していた。夜空では夕雲隊、電光隊、残雪隊が上がって奮戦していた。 「こちら残雪、残雪隊各機へ、相手のAs61は突風より小回りが利かない。巴戦(ドッグファイト)に持ち込むんだ!」 彼は田中真(タナカ シン)。残雪隊の隊長である。階級は大尉。29歳。 「ちゃんと部下は付いてきているか?」 新谷は田中に一言。更に、 「お前さ、突風にいつまで乗るんだ?」 とちょっかいまで入れだしたのだ。これに田中は 「余計な話をしないでください!あなたはいつも『突風は旧式だ旧式だ』と。少なくとも巴戦では白雪より強いです!」 と下らない口喧嘩が始まりそうになった。 「口喧嘩する暇があるなら周りにいるAs61を墜とせ、馬鹿者!」 北野は二人を一喝した。 「ハイハイ照人さんよ~。ハーレム部隊と喧嘩するなら敵を墜としますよ~」 と新谷は見下した感じの話し方をした。 「何ぃ~…」 田中は悔しがったのだった。実際、残雪隊は田中を除いて女性パイロットだけで構成されている。 因みに構成は千鳥一式艦上戦闘機突風(トップウ)の四機構成となっている。
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