異邦人

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「そこの海軍機、ボサッとしてないで戦え」 第四十五飛行隊の隊長に怒られた。この飛行隊は岡田四式戦闘機風月(フウゲツ)が四機で構成されている部隊だ。隊長の水野忠文(ミズノ タダフミ)少佐は日本空軍の毎月の撃墜スコアに常に上位に名を連ねている日本屈指の撃墜王である。因みに風月は大型で一撃離脱を主眼においた重戦闘機だ。 「全機へ。敵はFu12だ。軽くジャブしてKOにしてやれ」 ここの隊長の一言に驚くしかなかった。前にも言った通り、ベテランでも嫌がる強力な防御火器が充実した機体だ。それをジャブしてKO?彼女達には考えられなかった。 「こちらボルガの青の2。敵の機影をレーダーで確認した。かなり高速で接近しているな」 暗視ゴーグルを付けて確認した。 「!!!」 「此方ボルガの青の1。どうした?」 「オレンジの雷だ!!あの雷マークは絶対そうだ!」 「此方ボルガの青の1!見えたぞ!毎度毎度蛍光塗料を機体を塗ったくってやってきあがった!」 「今日こそは墜とす!」 水野少佐はバラバラに散らばっていたFu12を見て 「相変わらず簡単に墜とせるバラけ方だな」 と言ってFu12から少し離れて左に機体を傾け急旋回。フルスロットルでFu12の真横を攻撃した。針の穴を潜るが如く敵の弾をかわして、一機、また一機とFu12を墜としていった。これで一気に四機は墜ちただろう。
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