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二機だけの空中戦が始まった。
後ろにずっと付かれていた言音はまず振り切る為にフラップを下ろし減速、海面すれすれへと降下して高度は五メートルを底として上下にジグザグに飛んだ。それでも彼女の背後に、高度八メートルそのままに、島風との距離二十メートルをレーナ機が付いて飛んでいた。
「まだ付いている…、なら!」
と今度は機体を右に傾け海面と垂直にして左へ右へと急旋回を繰り返した。島風の主翼に海水が時々あたる位だった。
一方レーナはこれには付いて行けず上昇。言音は追いかけるのをやめたレーナを見て、レーナ目指して急上昇。遂にレーナの後ろを取った。距離千、九百…。レーナへ近付く。距離五百メートル。
今だ!
言音は引き金を引き、島風は機銃を放った。
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