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「ふぅ」
無事だった。彼女に傷一つなかった。
しかし不利な状況は変わらない。まだ背後にレーナがぴったりと付いて来た。また撃たれる前に振り切ろう、そう思って彼女は近くの雲の中に入った。そしてレーナも彼女を追って入っていった。
雲へ入ると彼女は赤外線ゴーグルを付けて背後を見た。レーナが降下していった。雲に入ったがレーナは彼女を見失ったのだ。
追ってこないで下で待機か、と思うと彼女はふとあることに気付いた。12.7ミリ機銃が使用不能になっているので主翼の20ミリ機関砲しか使えない。しかもその弾の残弾が少ないのだ。
レーナを一撃で仕留めなければならない、と言う事になる。言音はゴーグルで辺りを見渡した。レーナはまだぐるぐると回っていた。ならば雲の中から奇襲、と思い付いた。気付かれないように機体を狙った。
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