異邦人

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竜神第一格納庫 「もー、言ちゃん、派手にコクピット壊さないでよ~。銃ならすぐ直るけどさ~」 彼女は野田円(ノダ マドカ)。言音の愛機『島風』専門の整備士だ。階級は一等水兵。19歳。 「ゴメン!円ちゃん!」 言音はペコペコ頭を下げて謝った。 「まぁ、壊されたら直すのが私の仕事だから仕方無いか♪」 そんな会話をして二人は笑っていた。 「失礼します、藤野少尉。黒田司令が応接室へ来るようにと」 若い連絡係の水兵が言音を呼び にやって来た。 「わかった。直ぐに行く」 と言って円に別れを告げて格納庫を後にした。 竜神応接室 普段は艦長、参謀長、司令の三人が作戦の立案をしたり、三人の雑談部屋でもあったりする部屋。竜神建造当時、同じ造船所内で改装中だった古い客船の内装をそのまま使用したらしい。 竜神で唯一、明るくて開放的な部屋だ。
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