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―――「おっ!見えてきた!」
思わず声を上げた俺。
いつになく声を大きく上げてしまったのは、いつもよりテンションが上がっているからである。
テンションが上がっているのにはもちろん理由があるわけで、それは俺も、俺の周りにいる仲間達も同じだった。
「うぉ!ホントだ!お~いみんな!見ろよ!」
「わぁ~!あれが朧島だね!思ったよりおっきい!」
俺たちは今、旅行に来ていたのだ。
小型のフェリーに乗って、絶海の孤島『朧島』へと向かっている。
「雄一!写真撮ってくれよ!俺と亜季のラブラブショットをな!」
「任せとけ。ほら、ラブラブっぷりを見せろよ」
「イヤ!みんな見てるし!」
雄一。夏目雄一(なつめゆういち)。それが俺の名前だ。
そして俺の前でイチャついてるカップル、これも俺の友人。
男は長めの金髪に、小麦色の肌、耳にはいくつものピアスを付け、鼻にも一つ。
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