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どっちつかずじゃなくて、何処にも行けないというのも間違いじゃないのかも。
だから、こうやってプカプカしてるしかないのだ。
「──サキちゃん、ご飯よー」
私の名前を呼ぶ声がする。伯母だ。ゆっくり足音もなく、私の生活空間に現れた。
私のお母さんの姉。未婚で、私の養母。分類上、私は養子という奴である。
「……、木根塚(きねづか)さん」
「何をしみじみ呼んでんの。あんただって木根塚でしょーが。木根塚 咲裂(さきざき)、でしょ? あとさぁ、伯母さんの名前は涼子(りょうこ)だって何回言えば呼んでくれんの?」
木根塚 涼子。
それが私の伯母の名前。
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