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その日の夜にゆらり、障子にうつる1つの人影。その人影が静かな声で呟いた
「副長」
「……山崎君か…どうした?」
「あの娘の事ですが…調べても何も出てきませんでした。名前さえも」
「名前さえも?だったらアイツの言うことは本当なのか…?山崎君はどうみる?」
「別にいいんやないですかぁ?」
「ちょ即答!?絶対考えてなかったよね!?棒読みだよね!?どうでもよさげだったよね!?シリアスぶち壊しだよね!?」
「副長うるさいです。もぉ夜でっせ?」
爽やかな笑みを浮かべる彼の顔を殴りたくなったが流石は大人。ぐっと堪えた土方
「や…山崎君は何でそう思う?」
「あの娘はなんか違うもん持ってる気ぃするんですよ~まぁ勘なんですけど」
「そうか、もうさがっていいぞ。ご苦労だった」
「あ、副長。あの娘こっわい目ぇしとりましたよ」
呟いた後、消える様に帰って行った山崎にため息を吐いて自嘲気味に笑った
「その目に惚れたんだよ」
誰にも聞かれる事のない呟きは闇に消えていった
おまけな時間
『ふくちょー、うちどこで寝ればいいんですか?』
「あ゛ぁん?寝床だと?」
『ヒィ!?』
「僕と一緒に寝る?」
『やだ。死んでもやだ。絶対にやぁだぁ!』
「じゃあ奈柄ー俺ん所来いよ?な?」
『もう良いです布団一組下さい。自分で寝る所探すんで』
「あれ?無視?何これいじめ?泣くよ佐之助泣いちゃうよ!?」
「佐之さんうるさい黙って」
「どこで寝る気なんだい?」
『あぁ近藤さん、只の屋根ですよ。アハハー』
「そうかそうか屋根か屋根か……ってええ!?」
「ダメだよ奈柄ちゃん!落っこちたらどうするんだ!?」
『大丈夫ですよ永倉さん。落ちたら落ちたでその時考えればいいんですから』
「「「馬鹿かぁぁああ!?」」」
結局、永倉の部屋で奈柄ちゃんは寝ました(土方いわく一番安心だそうです)
『……夜空見たかったのになぁ(本音)』
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