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お母さんお父さん奈柄はスゴいところに来てしまったみたいです
うちの住んでいた町はごくごく普通な住宅街
それなのに……
ちょんまげ?刀?おまけに着物?
『落ち着け。まず落ち着いてタイムマシンを探そうか』
木の根本に顔を近づける
彼女───辻原奈柄はこの木の根本から姿を現した
彼女曰く、塾帰りに歩いてたら此処に着いた、らしい
『おかしい……おかしすぎるよ~』
本当におかしいと思っているのかと疑うほどの能天気さ
…………こいつに主人公なんて勤まるのか
今更心配になってきた
やっと彼女は行動に出た。とりあえず歩いている。ふらふらして今にも倒れそうだ
『なんで住宅街じゃねえの……?』
ふわぁと欠伸をしながらポツリと呟く彼女
「ねぇ」
『ぅはぁい!』
「なにそれ」
いきなり現れた人に驚く奈柄。奈柄を見て楽しそうに笑う……男?女?
『え…いや…あの…アナタは?』
「人に名前を聞くなら自分からでしょう」
『いや、名前じゃなくてなんか用ですか?うち、人の名前には興味ないんで』
「ふーん…随分しらけてますねぇ」
『よく言われます』
腹がたったので言ってやったっていう顔の奈柄。いわゆるドヤ顔
世界で一番うっとおしい顔だ
「まぁいいや…ちょっときてもらえます?」
『お母さんに知らない人間には着いて行くなっていわれてるんで、無理です』
「偉いねー君いくつ?」
『さんしゃいー』
「嘘つけ」
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