48人が本棚に入れています
本棚に追加
それから永倉がなんとか2人の足を奈柄の上からどかして藤堂と一緒に「顔洗いに行ってくる、すぐに戻ってくるから着替えて待っとけ」といって出ていった。
その時奈柄が行かないでぇぇえ!と叫んでいた気がするが、気のせいにした
「さて、着替えて下さい。」
『えっと……ひっじょーに言いにくいんですが、着方知りません』
「だと思いました。僕が着せるので脱いで下さい。」
『え?ちょっと待って。ワタシオンナノコデース。アナタオトコノコデースハハハハ。』
「だから何ですか?僕は人間の女にしか欲情しませんから。うじ虫の裸見たって欲情しません」
『まさかの人扱いしてくれてない!?』
酷い!酷いわ!と、わざとらしくショックを受ける奈柄を無視して、ジリっと距離を縮め刀に手を添えながら
「脱がないのなら刻みますよ」
『脱ぐ脱ぐ脱ぎますぅ!』
───────────────
『お嫁にいけない…!』
どんどんと床を叩いて嘆く。が時間は帰ってこない。頑張れ頑張れ、ドントマインド。
『黙れよ!嬉しくないからそんな棒読み!』
「…?何ぶつぶつ言ってるんですか。さっさとここに座って下さい。髪、結ってあげますから」
ぶつぶつ言いながらも素直に座る奈柄。彼女のさらさらした黒い髪に少しだけドキッとする。
「髪…綺麗ですね」
『あはっ良く言われます~。毎日毎日手入れしてるんです~』
殴りたい。さっきまでピーピー泣いていたのは何処のどいつだと言いたく成る程清々しい笑顔だ
「どうして手入れしてるんですか?」
素朴な疑問だった。ただ気になっただけだった。彼女なら笑って話してくれると思ってた。
『……少し昔話をしましょうか』
けど違った
最初のコメントを投稿しよう!