思いの重み

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それから永倉がなんとか2人の足を奈柄の上からどかして藤堂と一緒に「顔洗いに行ってくる、すぐに戻ってくるから着替えて待っとけ」といって出ていった。 その時奈柄が行かないでぇぇえ!と叫んでいた気がするが、気のせいにした 「さて、着替えて下さい。」 『えっと……ひっじょーに言いにくいんですが、着方知りません』 「だと思いました。僕が着せるので脱いで下さい。」 『え?ちょっと待って。ワタシオンナノコデース。アナタオトコノコデースハハハハ。』 「だから何ですか?僕は人間の女にしか欲情しませんから。うじ虫の裸見たって欲情しません」 『まさかの人扱いしてくれてない!?』 酷い!酷いわ!と、わざとらしくショックを受ける奈柄を無視して、ジリっと距離を縮め刀に手を添えながら 「脱がないのなら刻みますよ」 『脱ぐ脱ぐ脱ぎますぅ!』 ─────────────── 『お嫁にいけない…!』 どんどんと床を叩いて嘆く。が時間は帰ってこない。頑張れ頑張れ、ドントマインド。 『黙れよ!嬉しくないからそんな棒読み!』 「…?何ぶつぶつ言ってるんですか。さっさとここに座って下さい。髪、結ってあげますから」 ぶつぶつ言いながらも素直に座る奈柄。彼女のさらさらした黒い髪に少しだけドキッとする。 「髪…綺麗ですね」 『あはっ良く言われます~。毎日毎日手入れしてるんです~』 殴りたい。さっきまでピーピー泣いていたのは何処のどいつだと言いたく成る程清々しい笑顔だ 「どうして手入れしてるんですか?」 素朴な疑問だった。ただ気になっただけだった。彼女なら笑って話してくれると思ってた。 『……少し昔話をしましょうか』 けど違った
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