思いの重み

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よし…奈柄…12の3で開けるのよ…!せーのっ! 1!2の!3! ────……ガッ! あれ?何この音。あれ?なんで…… 『開かねぇんだよぉぉお!いじめかコラァ!泣くぞゲフゴッ!』 「いーいからさっさと中に入れコルァァア!どんだけ待たせんだぁぁあ!」 拳と共に飛んできた怒声に恐怖を覚えながら乙女としてあるまじき言葉を吐いてしまったことに舌打ちをしそうになる。因みに今は床とこんにちわ状態になっている 『違うんです土方さん!貴方にこのなんともいえない緊張がわかりますか!?』 めっちゃガクブルでパニックになるんだぞ!と叫ぶ奈柄を尻目に呆れたような口調で喋りはじめる 「分かりたくもねぇし、もうお前中に入ってるしな」 土方さんの呆れたため息が聞こえてきてはっとして周りを見ると強面のお兄さん(?)達がうちをガン見していた。 ヤバい。そう感じたらうちはヘラッと笑って 『ど…どうも~……し失礼します…』 緊張とガン見からくる恐怖ですっかり出なくなった声を絞り出して立ち上がり中に入り襖を閉める オイ、襖。なんで今直ぐに閉まるんだコラ理不尽じゃねぇーかコラ 今まで騒がしかった広間が今はシーンと静まりかえっている。お陰でさっきの虫の息のような声でもしっかり届く 「うむ、辻原くん!こっちに来て皆に挨拶をしようか!」 近藤さぁぁあん!あんたならやってくれると思ってた!ニコニコしながら話してくれると思ってたよ! 『はいっ!』 うちは少しだけ(なんとなく)柔らかくなった空間に余裕ができたのか、全身の力を抜いた 「では辻原くん、早速だが自己紹介をしてもらってかまわないかな?」 『はい!分かりました』 じゃNEEEEEEEE! 自己紹介?なんも考えてないんだけど!絶対噛む自信あるんだけど!
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