第一話『夢』

3/6
前へ
/6ページ
次へ
「危ないっ!!」  そう言い飛び起きるとそこにはいつもの朝の景色があった。 「また、いつもの夢か」  そう言うとゆっくりと起きてベッドから出る。  そしてそのまま二階の自分の部屋から一階のリビングに降りる。 「おはよう」  そう母に言うと朝ごはんを食べ、そのまま着替えて朝の用意をして家を出た。 「兄貴…今ごろ何してるんだろうな…」  4つ歳の離れた兄貴  黒藤 真紅について考えていた。  兄貴は二年前に 「面白きこと無きこの世を面白く そして俺はつまらない」と言い残しそのまま行方不明になった。  だが今でも兄貴はこの町にいる気がしてならない。  そんなことを考えながら歩いているとすれ違いざまに占い師に声をかけられた。 「お前は今日選択を迫られる 一つは兄の待つ刺激に満ちた世界 そしてもう一つは友が待つ普通の日常 どちらを選ぶかは…お前次第だ」 「何?どういうことだ?」  そう言いながら振り向くが、振り向いた先には誰もいなかった。 「どういうことだよ…」  誰もいない道でそう呟いた。 「って時間ヤバっ」  時計を見るなり急いで学校へ走って向かった。 閉まりかける門  俺は校門より2m前方で高く翔んだ  そして空中で二回転の捻りを加えて門の内側に入る 「セーフ」  すると何処からか拍手が鳴り響いた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加