第一章

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あの時はとにかく寒かった 冬になったばっかりの とにかく寒い夜にあんたとは 出会ったんやんな? うちは親が仕事ばっかりやから いつも家では一人やった だからいつも相手してもろてた 隣の家の愛輝。 夜も出来るだけ連絡とって 寂しさなくしてた でもたまに連絡ないときは コンビニ行って 大好きなマンガで時間潰して 一日を終わらしてた その日もコンビニに行ってん マンガを買って帰ろうとしたら 道の端に人が倒れてた。 それがあいつとの出会いやった うちは何でか気になって 声をかけてみてんな 『あの…いけますか?』 そう言ったら 倒れてた人が顔をあげた 『えっ?あー、無理。』 ちょっと冷たかったけど 喋る力残ってる?って 思うくらいケガが多かった うちはその人を連れて 家に帰って手当てしてあげた その人は手当てしたあと すぐに寝てしもてん 『本間大丈夫なんかな?』 そう思いながらうちも寝た。 起きたのは次の日の昼前 倒れてた人はまだ寝てて ご飯作りにキッチン行ってん 基本ご飯作るのは好きやったし 適当に作ろうってなって 炒飯を作って部屋に戻ったら 昨日倒れてた人が 辛そうに起き上がってた 『いけますか!?』 うちが声をかけたら ビックリした顔でこっち見て 『俺、ここで何してるん?』 そう言ったから めっちゃ笑ってもうて 『倒れてたからつれてきた』 そう言ったら照れながら 『ありがとう。』 そう言ってんな 2人でご飯を食べたあと いろいろな話をしてた 龍也って名前で17歳の高校生 倒れてたのは喧嘩して 勝ったんやけど疲れてたから そんな理由やった うちは龍也と連絡先交換して その日から遊ぶようになった 龍也は高校生のくせに 年齢をごまかしてホストしてた やから龍也に可愛いとか 言われても信じてもなかってん 今はそんな龍也とあんな辛い 恋をすることわかってなかった
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