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「私はどうなってしまうんでしょうか」
「それはおぬし次第じゃ」
「もし……もしまた同じような事をしてしまったら自分は……」
「わしも心苦しい」
「申し訳ありません」
「謝るな。指示したのはわしじゃ」
「私が己を制御できなくなったその時は、息子に『父は死んだ』と伝えてください」
「解った。そうしよう」
「私は今後どうすれば……」
「本来ならば……本来ならばおぬしを消さねばならんのかも知れん」
「覚悟は出来ております。組織に入ったその日から」
「だがそれは出来ん。今日を限り破門とさせてくれ」
「……そうですか」
「わしのミスで、このようなかたちで後継者を失おうとは思いもせんかった」
「ご期待に沿えず申し訳ありません」
「今回のような感情が芽生えるようになったのはいつからじゃ」
「時々、あの石が夢で私を呼ぶのです。己の欲望を求めよ、と」
「あの石か……もう忘れるんじゃ」
「石の夢を見た翌日は、感情の抑制が効かなくなります」
「このままだとスカルの二の舞じゃ。おぬしが望むなら……」
「神経ガスですか」
「そうじゃ。おぬしの記憶を消しておいた方が幸せかも知れん」
「そうですね。これでエドガーともお別れか」
「最後に会っておくか?」
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