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怪盗スカルの後継者
日本に連れて帰った子供達は、そのまま孤児院に入れられた。
よほどショックが大きかったのか、次男の方は少々記憶に障害が残ったが、先にいたエドガーにだけには心を許しているようだ。実の兄よりも慕っているのが見て取れる。
今回のカーネルの行動は、到底赦されるものではない。『組織の為』として人殺しを行うようでは、スカルと同じになってしまう。
後継者として、不安が残る。
このままではせっかくここまで作り上げた組織が、根底から崩れてしまう可能性すらある。
キングは今後の事を考え、カーネルを破門するかどうか悩んでいた。
「ジョーカー。ちょっとよいかの」
「キング……今回の事は」
「その今回の事で話があるんじゃ」
「私にも今回の事で話さなければならない事があったのです」
「そうか。あとでわしの部屋にこい」
「解りました。あとで伺います」
キングは夜中まで部屋で待った。
子供達が寝静まった頃、カーネルが部屋にやってきた。
「キング、今回の事で」
「どうしたんじゃ。お前らしくもない」
「私にも抑えられなかったのです。今までにはない感情でした」
「そうか……今頃になってディアボロスストーンの影響が出てきたのかも知れんの」
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