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りえっこ ⇒
いくらイケメンとはいっても、あたしにだって選ぶ権利くらい、あるハズ。
洋海みたいなお調子者は、正直タイプじゃない。
…もっと、こう―――。
優しく、笑いかけてくれる様な…。
だから…響みたいな…。
夏の終わり――秋の始まりみたいな…そんな、優しい感じがイイ。
「珠梨は、洋海じゃだめなの?イケメンな上に、お金持ちじゃん?」
あたしの気持ちを知らない美音はいつも似た様なセリフ…もう、何度も聞いた。
「……。」
「あーっ、シカト~(笑)?」
明るく笑う美音の、サラサラの長い髪が、やけに目についた。
あたしの髪の毛は、美音ほど長くない。
伸ばしてんだけどな、これでも。
響が、長い髪が好きだと知った瞬間から――…。
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