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「じゅーりッ!卵焼き!」
「……。」
お昼休みになると、洋海は必ずと言っていいくらいあたしの所に来て、卵焼きをおねだりする。
「早く♪」
「何でいつも卵焼きなワケぇ?!てか自分の食べなよ。」
「だって卵焼きは、珠梨の味がするからな♪オマエが作ったんだろ?」
「…違いますー!」
「いや、オレにはわかる。」
「超ウケるけどーっ!」
あたしの向かいに座る玲乃が、可愛く笑った。
美音は響と一緒だから、今はいない…。
「もー勝手にして…。」
こうして卵焼きは、毎日洋海に食べられてしまうんだ。
だけど、ホントは当たり。
卵焼きだけは、お母さんじゃなくて、あたしが作ってる。
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