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突然言葉を止められた魔理沙は不機嫌になりながらも
表情が険しくなった霊夢を黙って見ていた
「ここからは私の仕事よ。」
霊夢は持ってきていたお茶を配って隣に座った
「あなた、外界の人間ね?」
「えっ?」
「その反応をみると、やっぱり外界の人間と考えて間違いなさそうね。」
何なんだ一体…何を言ってるのか全く分からない…
「あなたのそのペンダント、まだ外界にしかない守護石ね、さっき見た時考えてたのよ」
「あのっ、守護石とか外界とか色々、一体何なんですか?」
正直言ってついていけない
「あなたがここを夢と思っている理由は解らないけど、ここは現実よ、夢なんかじゃない。」
「し、失礼を承知で聞きたいんですが、それを証明する事はできますか?」
失礼かもしれない、でも今の俺にはそんなことを考える余裕なんてなかった
「あなたの考え方次第よ、証明はできなくはない、でも私や魔理沙がいること、それが証明になっているはずよ?」
「それも夢かも知れないじゃな―――」
バチン
鈍い痛みが頬に感じられた
「あなたはその痛みも夢にしたいの?いい加減現実を見なさい」
「何か霊夢がいいことしてて不自然なんだが…」
「うるさいわね、黙ってなさい」
痛みか…夢にしたいけどそうもいってられないのかもな…
「…分かりました、とりあえず信じますそれでここは、幻想郷でいいんですよね?」
「話が早いじゃない」
「まぁ一応俺がいた世界にも知識はあったので」
「じゃあ次はその守護石の話をさせてもらうわ」
俺はゆっくりと頷いた
「一応守護石はね、こっちにもあるのよ、でもその守護石は少し特別、普通は魔力や霊力を普通の石やら宝石に込めてできるものなの、でもその守護石は似ているけど違うのよ主に込められているものが違う」
「一体…何が込められているんです?」
「想いよ」
一瞬心臓を握られたような感覚に襲われた
「ちょ、ちょっと、何で泣いてるのよ」
「誰が泣いてるんです?」
「あなたがよ」
俺の頬に涙が伝っていた…全員居なくなった時から泣いたり怒ったり笑ったり出来なかったのに
「この守護石は…親の形見なんです。」
「そう…だったの…」
「そうだったのか…」
俺と霊夢は一緒に言った
「魔理沙いたのか」
「ひどいぜそれは!」
魔理沙と霊夢が笑いあう姿に自然と小さな、小さな笑みが浮かぶ俺だ
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