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きっかけは上司の送迎会だった。 梅本しのぶ(うめもとしのぶ)は就職浪人した末にやっとこの会社に就職できた。 一方あいつこと梁橋貴浩(やなはしたかひろ)は、前の会社が倒産したため再就職してきた、しのぶより2つ年上の同期。 あいつは見た目が少し怖い感じだった。しかも無口で無愛想。 数ヶ月一緒に仕事をしているが、そんな感じだから特に親しい同僚はあまりおらずひとりでいる事が多かった。 「あの……梁橋くん」 「あ?」 声と顔が恐っ……。 こんな感じであいつに対する第一印象は最悪だった。 しかし仕事上話す機会が多少あり、いつしかあたしは同僚達の中でもあいつと会話する数少ない人の一人になっていた。
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