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だいぶ、日暮れの時間が早くなった。5時を過ぎると外はうす暗くなる。
あ~太陽が沈む前に帰りたいな
窓から外を眺め、ため息をつく。
「神崎がまたよそ見してま―す。」
山本が、俺を指さして言う。
まだ名前の事、根に持ってんのかな
器の小さい男よ‥
「うわっ、おまえその目は何だよ!」
「別に何にも思ってないよ?器小さいとか思う訳ないじゃん。お前なんか草役Aじゃんとか、全然思ってないよぉ」
にっこり笑う。
「すっげー思ってんじゃん!何だよ、その笑い!悪魔か!悪魔の微笑みか!」
山本‥意味分かんない
放課後――
役者組と装飾組に分かれ、練習や作業をする事になった俺らクラス。
帰宅部の俺は、そんなことすっかり忘れ(というか、聞いてすらなく)、さっさと帰ろうとしていたところを山本に見つかってしまい、こうして人生初の夜帰り(だって終わった頃にはきっと、外は真っ暗だよ?)を経験することになったのだ。
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