決定

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山田先生は、ちょっと口をとがらせて聞いてきた。 「ボーと考え事してたら、いきなり白雪姫に任命されて、どうなってるのか聞いてたんです。」 そう話すと、山田先生は、すっと、自分の手を俺の左頬を包むかのように触れ、 「何、考えてたんだよ」 にっこりと微笑む先生。その目を、しっかりと見つめて、俺は 「席替え、窓側の一番後ろにしてください。」 ガタン。 先生が目の前の机に突っ伏した。 息を大きく吸い込んだと思うと、「はぁー」とため息を付く。 どうしちゃったんですか‥ 「おなか、痛いんですか?」 「違うっ!」 がはっと顔を上げたかと思うと、ずいっと俺の方に、顔を近づける先生。 少し顔が紅潮して‥ キモい‥‥‥‥ 「ときには、俺のことを考えてくれても、いいんじゃない?」 先生は俺の目をのぞき込むように、必死にこちらを見て言う。 何で考えるんですか? なんて、首を傾げると‥ 「俺ら、付き合ってんだからさ」
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