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私は綺麗な洗面台で
目を洗った。
赤くはなくなったけど
まだ腫れが残っている。
彩香は「大丈夫だよ」と言ってくれた。
すると、サチはクールな表情に戻って言った。
「優子…、ここいちお施設だし、お母さんに挨拶しなきゃ」
お母さん……?
あ、施設のお母さん的存在ね。
「さ、2階にいるよ行こう」
彩香が笑って言った。
なんだろう
彩香の笑顔はこんなにも
安心する…。
ていうか
本当に広いなこの一軒家
施設として扱えるのも
分かるな…
「優子はやく…」
サチの声で
我にかえった私は
リビングの横にある
2階への階段をのぼった。
階段も真っ白で
私はお姫様な気分になった気がして
1人、クスッと笑っていた
階段を上がると、長い廊下があった。
その一番奥の部屋に
“お母さん”がいるらしい
「優しいんだ、お母さん」
サチは私に小さく言った
「うん」
と、私は下を向いた
お母さん……
どうしても
あっちのお母さんを思い出してしまって
涙がでそうになったから
下を……むいたんだ…
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