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私はその言葉に安心して
“彩香の家”に入った。
玄関には靴が並んでいて
小さな靴から、大きな
運動靴まで並んでいた。
「家族多いんですね」
と私が玄関の数々の靴を見つめながら、小さく言う
「んー、まあね。」
と、彩香はそっけなく答えた。
『まあね』!?
幸せな事なのに…
喜んで「そうだよ!」って言えばいいのに
私だったらそう言うよ。
まあ、私には家族がいないから……
そうなだけかもな
「さ、上がって」
彩香はとっくに靴を脱いで家の中に入っていた。
「あっ、どうも」
靴をぬぎ、“彩香の家”に上がった。
私はさっきまで泣いていた、多分目は真っ赤だ。
私は目をこすった。
こすったところでどうもなんないけど
「目、洗う?」
彩香は私気持ちを読んだように言った
「あ、ありがとう」
真っ白に染められた壁に、私は「素敵」と、羨ましいが混ざった、そんな気持ちになる
今さっき自分が1人ぼっちになったのに
こんな気持ちになるなんて、ばかみたいと思った。
「洗面所ここだよ」
と、綺麗な洗面所を指差した。
洗面所までも真っ白で
所々光っている、私は「すごい」と感心した。
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