特殊能力訓練所編

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「姉ちゃん、今日は警察からの連絡は?」 「特に連絡はないよ」 「ふ~ん」 警察に通報してから、1ヶ月半が過ぎようとしていた。カイは妹が気にかかり、毎日のように姉に連絡がきたかを確認している。 警察は何やってるんだ……あぁ~、くそぉ~ 彼は心のなかで少しずつ苛立ちをつのらせていた。 それから3日後…… 「姉ちゃん、ちょっと外行ってくる」 「何か用事?」 「散歩だよ、散歩」 メモ帳とペンをポケットに入れ、外へ出た。 待ってるだけじゃ、ストレスになっちまう……俺にもできることはあるはずだ。 せっかくの快晴だが、向かった先はネットカフェ。 カイは狭い個室でゆっくりと椅子に腰掛け、マウスを片手に検索を始めた。 奴やケーラを見つけるには、とにかく強くなるしかない。予知能力をレベルアップさせなきゃいけない。行方不明の警官達はどうなったんだろう……奴は警官より強い可能性が高いから、戦闘能力も身につけないと。 カイは道場のサイトなどを探し、ひたすらクリックを続けた。 1時間後…… 「良さそうなのがないなぁ……ん?特殊能力訓練所?」 「特殊能力訓練所」と書かれたサイトを開くと、どうやら特殊能力を生かした実践トレーニングを中心に活動している訓練所らしい。 「特殊能力をもった方、男女問わず募集、年齢は7歳以上からだから大丈夫、一応面接試験もあるみたいだな…………ええぇ!?入所金300万バンッ!?」 カイは入所金の高さに驚き、思わず叫んでしまった。 「お客様、店内ではお静かに!!」 カフェの店員が静かに注意を促す。 「す、すいません」 カイは店員に軽く頭を下げた。 入所金高いなぁ、どうしよう、俺の貯金だけじゃどうにもならない……姉ちゃんに相談してみるか……てか絶対に怒って反対するだろうな、入りたい理由が理由だからな。 それから2時間ほど検索を続けたが、訓練所以外で納得のいく場所は見つからなかった。
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