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「とりあえず今回はお疲れさん、真理亜」
「サンキュー」
と、八木崎真理亜は渡された缶ビールを受け取った。
渡したのは大和田眞央である。
真理亜の家にて、彼女と大和田は酒を飲むことになった。
というのも、自宅謹慎が暇だと騒ぐ真理亜を大和田が見兼ねたからである。
丸テーブルに酒とつまみを広げて、すぐに大和田が口を開いた。
「もうちょっと我慢出来なかったのか?明後日の月曜から出勤だろ」
「無理、暇。始末書もとっくに書き終わっちゃったし、やることないんだもん。それに…」
真理亜は引き出しから一枚の紙を引っ張り出した。
「思ったより処分が軽かったからさ、なんか拍子抜けしちゃって」
大和田に見せたのは、地位の降格の旨が記されている書状だった。
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