1224人が本棚に入れています
本棚に追加
何度往復しただろうか。
真理亜は苛々し始めていた。
【ぶっちゃけ、読んでない文献あるんだよなァ…。仕方ないよね?あの量全部は無理だって!てかそれまで片付けなきゃいけないなんて、なんか割に合わない!】
よく解らない理屈を並べながら、資料室へと向かった。
そろそろ腕も痺れてきている。
文献を数冊手にとり、棚へ戻そうと腕を上げたときだった。
力が抜け、手から文献が滑り落ちてしまった。
【やっば!やばいやばい!】
大慌てでしゃがんで文献をかき集めた。
そのとき、一冊の文献に目が止まった。
読まぬままだった文献のうちの一冊だった。
何の気なしに、頁を捲った。
「え…?」
真理亜の手が震え、落っことしそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!