第一章 思わぬ再会

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何度往復しただろうか。 真理亜は苛々し始めていた。 【ぶっちゃけ、読んでない文献あるんだよなァ…。仕方ないよね?あの量全部は無理だって!てかそれまで片付けなきゃいけないなんて、なんか割に合わない!】 よく解らない理屈を並べながら、資料室へと向かった。 そろそろ腕も痺れてきている。 文献を数冊手にとり、棚へ戻そうと腕を上げたときだった。 力が抜け、手から文献が滑り落ちてしまった。 【やっば!やばいやばい!】 大慌てでしゃがんで文献をかき集めた。 そのとき、一冊の文献に目が止まった。 読まぬままだった文献のうちの一冊だった。 何の気なしに、頁を捲った。 「え…?」 真理亜の手が震え、落っことしそうになった。
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