第二章 独白

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見るに耐え兼ねて、障子を閉めました。 不意に襖が開かれ、桂先生が入ってこられました。 俺はすぐに向き直って正座をし、頭を深々と下げました。 顔を上げたとき、俺の涙に気付かれたのでしょう。 無念だ、とだけ仰いました。 桂先生は俺の腕を引っ張り、立ち上がらせました。 引っ張られるがままついて行くと、藩邸の外でした。 桂先生に言われるがまま振り返って、目を見張りました。 長州藩邸の門に、血がべったりと付着していたのです。 拳の形をした血痕がいくつもあり、其れで悟りました。 先生は血塗れになりながらも此処まで来られて、応援を請われたのです。 何度も門を叩き、同志の為に文字通り、命を削っておられたのです。
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