第1話プロローグ

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  「それも神父の仕事なの?」 不安そうに言うマルスを見て、ディダは笑いながら、 「違う、違う、これは俺の趣味さ!」 そう言った。 マルスは目を真ん丸にする。 「趣味?」 「そう趣味だ。 あの頃からだなぁ~。 こういう事をやり始めたの」 昔を思い出してか、微笑むディダを見て、 「ディダって笑うんだ……」 マルスの一言は、不思議な体験でもした様な言いぐさだ。 「笑って悪いかよ!」 いつもの調子のディダに戻る。 確かに自分も笑っていなかった事に気付く。 本当に笑うなんて久しぶりだ。 染々、自分がマルスにやって来たことを振り返ると、ついつい怒鳴っていたことに気付き、情けなくなった。 そんな情けない状態な時だ。 「ねぇ、知ってる?」 マルスは何かをゆっくり訪ねる。 「何だよ?」 ディダはマルスがどんよりして暗い顔に少し驚く。 「バンパイアは人を襲うバンパイアは二通りいてね。 よく夜にバンパイアが人を襲うのは夜帝と言われる、貴族並な生活をする夜の者で、普段は人を滅多に襲わず、動物達から少しだけ血を分けて貰い、日を浴びれる平凡で平和な生活をする日の者がいるんだよ」 「……」 何が言いたいのか分からずただ頷くだけ、しかし悲しみは表情だけでなく語る声も悲しみに満ちていた。 「ある時、夜帝の頂点の者が一人の日の者と恋に落ち、子を産んだ。 それは夜の者と日の者は決して交わっていけない事を知らずに……。 その子は日の者に似て、穏やかな性格と日を浴びても大丈夫だったが、一つだけ夜の者と日の者と違う性質があった。 そう、人の血どころか動物の血さえ飲めないバンパイア……。 血を唯一飲めるのは同族のバンパイアの血だけ……」  
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