第1話プロローグ

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  「これからどうしよう……。 もうディダに迷惑掛けられないよな……」 マルスは天井を眺め、一人呟く最中、急に戸が開き慌て戸の逆方向を向き目を瞑る。 「マルス……って寝てるよな」 来たのはディダだ。 ディダはそっとマルスの寝ているベッドの脇に座り、優しくマルスの頭を撫で、 「明日、ちょっと他国に行くんだが、マルスも来てくれないか? 彼処はかなり変わった文化が進歩していて、正直ここより好きだ。 まぁ、戦は耐えないがな。 でも他に世界があるって知って貰いたい、ただそれだけなんだ。 一人で喋りすぎたな、じゃ明日朝イチで出掛けるから、おやすみ」 明日の話を終え、部屋を出た。 マルスは急に訳も分からぬまま涙が頬に伝う。 ディダが自分をこの国から逃がそうとしてくれてる……。 いや、ディダはあの時昔話みたいに伝えたから、もう知っていると思う。 そう、ディダなりの優しさだ。 分かった瞬間、マルスは枕に泣きじゃくった。 「もう、ここから出なきゃ……」 マルスはディダに、これ以上迷惑を掛けていけないと判断した。 そして朝……。  
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