第1話プロローグ

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  「この……! この……!」 マルスが必死になっていると、後ろから弓を持った者が現れ、 「手間かけさせんじゃねぇ!」 マルスの頭を踏み潰し、見下ろしてると、後ろから何人もの男達が集まり、その中の真っ黒な服を纏った一人の男性が、 「良くやった」 にこやかに現れ、マルスの顎を掴み、 「うむ、間違いないコイツだ。 さぁ、連れて行くぞ、縄で縛って今度こそ逃げられない様にしなくては」 そう言うと、周りの男達が縄を持って近寄って来た。 マルスは歯向かおうとするも、声が震えて出てこない。 一人の男が縄でマルスを縛ろうとした。 「誰か……誰か……!」 なんとか声が出ても、 「ヘイヘイ、今度こそ大人しくしろよ、出ないともっと酷い目に合わせてやる」 男達はゲラゲラ笑う。 もうダメだ。 「……助けて……お願い……」 悔し涙が止まらない。 でも、ディダにもう迷惑は掛けられないし、自分は……。 捕まったらどうなるか、想像がつく、それにもし匿われた事を知ったら間違いなく……色んな都合を付けて殺される。 だったらもう捕まって黙っていよう。 本当に幼いながらも人生を諦めた。  
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