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「この……! この……!」
マルスが必死になっていると、後ろから弓を持った者が現れ、
「手間かけさせんじゃねぇ!」
マルスの頭を踏み潰し、見下ろしてると、後ろから何人もの男達が集まり、その中の真っ黒な服を纏った一人の男性が、
「良くやった」
にこやかに現れ、マルスの顎を掴み、
「うむ、間違いないコイツだ。 さぁ、連れて行くぞ、縄で縛って今度こそ逃げられない様にしなくては」
そう言うと、周りの男達が縄を持って近寄って来た。
マルスは歯向かおうとするも、声が震えて出てこない。
一人の男が縄でマルスを縛ろうとした。
「誰か……誰か……!」
なんとか声が出ても、
「ヘイヘイ、今度こそ大人しくしろよ、出ないともっと酷い目に合わせてやる」
男達はゲラゲラ笑う。
もうダメだ。
「……助けて……お願い……」
悔し涙が止まらない。
でも、ディダにもう迷惑は掛けられないし、自分は……。
捕まったらどうなるか、想像がつく、それにもし匿われた事を知ったら間違いなく……色んな都合を付けて殺される。
だったらもう捕まって黙っていよう。
本当に幼いながらも人生を諦めた。
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