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月も星も光らないとても暗い夜……。
ランプ一つ持ち、山道を歩く金髪の変わった髪型の男性が不機嫌な顔をして歩いていた。
どんな変わった髪型をしているかと言うと、前から見ると普通に短い髪型だが、後ろから見ればよく分かる。
そう、頭てっぺん中央から後頭部にかけて腰よりも長い髪、その長髪を頭の方で4つ程、白い布で動かないように留め置ていた。
「あんのクソジジィ!!
いつまで仕事手伝わしてんだよ!
お陰でこんな夜道歩かにゃいけねぇ目に合わせやがって!!」
1人大声で怒鳴り散らすと、木々に止まっていた鳥や近くにいた動物達が一斉にビックリして逃げ出す。
その騒ぎに紛れながら男性に近付く微かな物音が……。
「大体アイツが来たせいで、余計に仕事を増やしてそのままトンズラしやがって……。
何が、“こっちも忙しいんだ貴様も手伝え”だ!?」
気付いていないのかボソボソ独り言。
物音から何かが光り男性に狙いを定めて狙おうとした。
男性は急に立ち止まり、
「一番腹が立つのは……人の後ろにいるてめえだ!」
男性は気付いて振り向いた。
が、
「あれ……? いない……」
誰もいない……。
しかし、何者かがは先回りをしてまた男性の後ろからジリジリと近付く。
「気のせいだったのかぁ。
しゃあない……急いで帰るか!!」
男性は何者かがある程度近づいたのを気配で計り、勢いよく振り向き、何者かを蹴り飛ばしたのだ。
そのまま何者かは倒れた。
「たく……最初から気付いていないと思っていたのか?」
男性は飽きれ顔でその何者かの顔を拝もうとランプで照らし、唖然とした。
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