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あまりの言い方に逆にビビる。
「ま、まぁ知れば分かってくれるだろう」
男はとにかく、無理矢理にでも話を進めなければ感が、汗としてタラタラと流れていた。
「はっ?」
未だに興味のないディダをよそに、男は隠し持っていた小刀を取り出す。
マルスを刺すかと思い、ディダは緊張を高め、事態の予想と状況を判断し闘いの構えとなる。
「ふふふっ……そう焦らずとも良い……ただこうするだけだ!」
男は自分の指を軽く小刀で刺すと、血が一滴二滴小刀に流れ、そしてマルスの頬にその血を垂らす。
何がしたいのか把握が出来ない。
しかし、それは急だった。
「ゔわあ゙ぁぁぁ!!!!」
マルスが急にもがきだしたのだ。
「マルス!!」
血を垂らされた頬はみるみる焼け出し、今にも全身が焼かれるのかと言うとんでもないモノだった。
「こいつはな、バンパイアの集落で見つけたガキでな、見たろ?
こいつはバンパイアでありながら、人の血はおろか、動物の血さえ、この様に焼けてしまう!
そう、唯一、血を受け入れたのは自分と同じバンパイアの血だけ!
こいつを育成すれば……」
男が全てを語る前に足で顔面を踏み潰した。
ディダはマルスを抱き上げ、
「大丈夫か!?」
マルスの顔や体調を確める。
焼けたばかりで凄く痛々しく、かなり先程の激痛で体力も消耗している。
「……ディダ……ごめんなさい……」
痛いのを我慢して再度謝るマルスを見て、
「気にするな、早く手当てしないとな……」
ディダは優しく言い、急いで家へと戻ろうとした。
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