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一瞬で、目の前にディダがいて、しかも銃を掴んでいる。
「な、何なんだ……お前は……! あ、悪魔か!?」
振り払いたいが、恐怖で男の手はカタカタと揺れた。
「よく言われんだよなぁ~そういうの!」
ディダは銃を片手で潰す。
それだけではない、
「何なんだ! そ、その手は!!!?
あ、あ、あ、悪魔だぁ!!」
男が恐怖で顔をひきつる。
無理もない、ディダの手が赤い鱗で覆われ、しかも撃たれた頭の部分も赤い鱗になっていたのだ。
「だから悪魔じゃねぇんだよ。
俺は龍だ、只の龍じゃないんだ」
その顔は不気味に笑う。
「龍!? ひぃぃ悪魔……!!!!」
「どうして、聖書とかで書かれてる事を鵜呑みにしてるのかな?」
「う、五月蝿い! わ、私は……」
男の足はもう立っているのがやっと。
「そうそう、ちょっと話ずらされたからイライラしてんだ、分かるか?」
「な、何がだ……!」
「俺は龍は龍でも吸血鬼の龍、バンパイアドラゴンなんだよ。
よくも、同類を手出したな?」
ディダは歯が鋭い牙へとなり、顔を近付けた。
「ま、ま、ま、まさか!?」
男はある事に気付く。
そう、連れてきた連中が誰もいない、いや逃げるとしても音が無さすぎる。
「さよなら、神父様」
ディダはゆっくり口を開け、男の喉に近付く。
そして、
「い、嫌……ひぃぃいぃぃ!!!!」
男の悲鳴がそこら中に響き渡りました。
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